たばこ(喫煙)は体に悪い?

たばこは体に悪い? 体に良いこと、悪い事

現在、たばこには様々な形態があります。火をつけるもの(紙巻たばこ)、つけないもの新型たばこ(電子たばこや加熱式たばこ)に関わらず、ニコチンや発がん性物質にさらされるという点で、すべてのたばこには健康影響の可能性があります。

これらたばこ(喫煙)の悪影響などを詳しく解説します。

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紙巻たばこと「新型たばこ」の違い

紙巻たばこと新型たばこの違い

紙巻たばこや新型たばこの大きな違いの1つは「火」をつけて燃やすかどうか、という点です。
紙巻たばこは火をつけて燃焼させて利用するため、煙には一酸化炭素や化合物が無数に含まれています。
(燃焼しない新型たばこの煙には一酸化炭素はほぼ含まれません)

たばこの害

紙巻たばこ喫煙者の呼気中やその周辺では大気汚染の基準濃度を超えるほどの一酸化炭素濃度が測定されることがあります。
この濃度は即、命に関わるほどでなないにしろ、一酸化炭素濃度が高い状態が続くと、血液の粘性が高まり血液がドロドロの状態になります。
そのため、脳卒中や血栓などの発症リスクが増大します。

紙巻たばこや新型たばこ、双方ともに含有量に違いはあれど、ニコチンや発がん性物質を含む煙を吸うという点においては共通です。

紙巻たばこと新型タバコ(加熱式タバコ)の主流煙に含まれるニコチン濃度と発がん性物質の量の比較結果は以下の通りです。

主流煙に含まれるニコチン濃度
主流煙に含まれる発がん性物質の量

また、換気のない狭い室内での喫煙時のニコチン濃度測定結果は以下の通りです。
・紙巻たばこ:1000~2420 (μg/m3)
・加熱式たばこ:26~257 (μg/m3)

紙巻たばこを基準とすると、加熱式たばこの有害物質の少なさが目立ちますが、それでも有害物質が無いわけではないことが分かります。

紙巻たばこを吸う際に、もったいないからと言って根本まで吸う人もいるかと思います。しかし、根本は煙の通り道となっているため、より多くの有害物質が溜まっています。そのため、根本付近まで吸い続けることは吸う本数を増やすことと同じように有害性が向上しますので注意しましょう。

喫煙率の推移

20歳以上の喫煙者の推移

上記の図3は20歳以上の喫煙者の推移を現したものです。女性の喫煙率は1989年から低い水準のまま推移し、12%以上にはなったことがないのに対し、男性は1989年時点では半数以上の人に喫煙習慣があったことが分かります。
その男性も近年になるにつれて数値が減少し、近年では30%を切るまでに減少していますが、2018年でも3人に1人の喫煙習慣があることも分かります。

喫煙のがんにかかるリスクとの関係

喫煙は様々な疾患の原因となる因子をもっていますが、その中でも古くから指摘されている問題が発がん性です。
特に肺がんと喫煙との関係は、実際の症例に基づき1939年にはその関連の指摘が報告せれています。

2012年に国際がん研究機関(IARC)にて公表された情報では、喫煙および受動喫煙はアスベストなどと同様の「がんを確実に引き起こす」という判定を受けています。

たばこにおいてリスクが高まるがんの部位は口腔から始まり、肺、食道、胃、大腸、肝臓、骨髄性白血病などと多岐にわたるリスクとして挙げられています。
たばこの煙の中にある発がん性物質が煙の通り道の口や肺、唾液などに溶けてとおる食道や胃、血液中に移行して血液や肝臓などでも影響を及ぼすということです。

以下は喫煙と肺がんになるリスクの比較表です。

喫煙と肺がんになるリスク

喫煙本数と期間が大きければ大きいほど肺がんになるリスクが大きくなることが示されています。

タール量の違いとは?

タール1mgのタバコは軽いたばこと言われますが、有害性の観点から見ると、このタール値の違いには意味はありません
例えば、タール1mgのものと5mgのものとでは、含まれるタバコの葉の量は同じで、その違いはフィルターの密度です。数値が小さいものほどフィルターの密度が細かくなっており、吸った煙の濃度が薄くなる仕組みです。

煙に含まれる有害物質の量に違いはないので、副流煙での害のリスクに違いはありません。また、吸った際の満足度が減少するため、吸いたい本数が多くなったり、より根本まで吸ってしまったりする傾向があります。これらの事から、タール値を下げることは健康という観点からは意味がないと考えます。

これらのように「たばこ」はさまざまな病気リスクを高める危険なものです。
興味本位で安易に手を出し、その一時の快楽を得る代わりに、払う損失は自身とその周囲の人を巻き込み、大きなものとなります。
たばこを吸う際には常に周りへの気配りと心掛けが必要です。

たばこに関するまとめ

  • 健康に関して言えば、吸わないことが1番。「たばこ」にはありとあらゆる有害物質が含まれている。
  • 「新型たばこ」は「紙巻たばこ」に比べればあらゆる有害物質が少ないが、安全、安心というわけではない。紙巻たばこの代用として、新型たばこを利用する場合、ニコチン摂取量が増えないように調整する必要がある。
  • 手洗いをしていない手で(特に外出時に)目、鼻、口を手で触る行為を行うこと。
  • 徹夜、食事のバランスが悪い、睡眠不足、過度のストレス、激しい運動など免疫力を下げる行為を繰り返すこと。

—参考元—

AMR臨床リファレンスセンター,細菌とウイルス
http://amr.ncgm.go.jp/general/1-1-2.html