人は生きていく上で様々なストレス(外的刺激)にさらされています。
そんなストレスが体にどんな影響を与え、健康にどう関わってくるのかを分かりやすく具体的に解説します。
ストレスとは?
ストレスとは、外部から刺激(外的刺激)を受けたときの体の反応のことを指します。
人にとっての外的刺激とは気温の変化や騒音などの環境によるもの、病気、そして人間関係や仕事の悩みなどがあります。また、就職、結婚といった一般的には良い事とされる出来事も外的刺激には変わりありませんので、場合によっては心理的要因のストレスとなりえます。
ストレスの原因は大きく分けると以下の3種類に分けて考えることが出来ます。
- 気温の急激な変化や騒音、空気汚染などの環境的要因
- 病気、ケガなどの身体的要因
- 人間関係の悩みや将来に対する不安などの心理的要因
今回はこれら3つのうち「心理的要因」に絞った解説を行っていきます。
ストレスが原因で起こる体の反応
ストレスを避けて生きていくことはとても困難です。また、ストレスを受けると、体はそれに対する反応を起こします。
例えば、人は寒さを感じれば体温が逃げないように血管が締まり、血流が少なくなり、熱が逃げにくくなるように体が対応します。
気持ちのストレスに対する反応も同じです。何かの発表会で緊張状態になると、心臓がドキドキしたり、冷や汗が出たりします。
誰かにイラっとすることがあれば、怒りの感情がこみ上げ、血圧が上昇したり、その後、暴飲暴食でその感情を発散しようとしたりします。
こういった具合にストレスに対する反応は、いつでも体が自然に対応する仕組みが生き物には備わっています。
ストレスに関する調査結果

厚生労働省の「平成24年(2012年) 労働者健康状況調査」によれば、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は、
50.6%(1982年)、55.0%(1987年)、57.3%(1992年)、62.8%(1997年)、61.5%(2002年)、58.0%(2007年)、60.9%(2012年)と推移し、数値的に減少する傾向はありません。

ストレス内容に関しては男性では割合が多いものから順に、人間関係(35.2%)、仕事の質(34.9%)、仕事の量(33.0%)、会社の将来性(29.1%)、昇進、昇給の問題(23.2%)、定年後の仕事・老後の問題(22.4%)となります。
女性では人間関係(48.6%)、仕事の質(30.9%)、仕事の量(27.0%)、仕事への適性(21.0%)、定年後の仕事・老後の問題(19.6%)、雇用の安定性の問題(18.7%)となっています。(3つ以内複数回答アンケート)。
男性では全体的に悩みが分散している傾向があるのに対し、女性は圧倒的に人間関係の悩みが多いことが分かります。
ストレスにさらされ続けていると、どうなってしまうのか?
外的刺激であるストレスに対して人の体、心は常にそれに合わせた対応を自然に行います。
良くも悪くも自然に反応・対応をするので、その機能を強制的に無しにして休憩をすることはできません。
反応をし続ける状態が続けば当然、その対応個所がいつかは耐えきれなくなったりダメージを受けたりします。血圧が上がり続けてばかりいると血管が痛んだり、心臓がドキドキすることばかりが多いと、心臓が疲れてしまったり、イライラばかりしていると感情が不安定になってしまったりします。
これらの状態が続き、例え、その原因であるストレスを解消出来たとしても、その後も症状が元通りになれなくなってしまうと、それは体、心の病気になってしまった状態といえます。
体の病気としては高血圧や動悸、過呼吸、頭痛などがあり、心の病気としては統合失調症やうつ病などが挙げられます。

こういった病気といえる状態になる前に適切に対処し、自分を守るための行動をすることが重要です。
ストレスを軽減する方法
ストレスを軽減するためには、主に2つの方法が考えられます。
A.ストレスの原因に対応し、その原因をなくす、もしくは軽減する。(受けるストレスを少なくする)
B.ストレスを発散するための行動を起こす。(受けたストレスを発散する)
Aの受けるストレスを少なくする方法を行う場合、自分一人で対応するには限度があることが多々あります。そうならないように、問題を自分一人で抱え込むのではなく、積極的に家族、友人、同僚など周囲の人たちと協力して、より良い解決を見出すことが重要です。
Bの受けたストレスを発散する方法を行うことも重要です。
映画鑑賞やゲーム、スポーツ、旅行などの「趣味」、ボランティア活動やペットなどの「生きがい」、などを持つことでストレスの発散を行うことが出来ます。

こういったことでストレスを受けないようにする、ストレスを受けてしまったらそれを発散する方法を日ごろから実践しておく、こういった生き方をしていければ健康な生活を過ごしていくことが出来ると考えます。
ストレス対策のまとめ

- ストレスや体の不調を感じたら、その原因が何かを冷静に判断する。
- ストレス対策は周りの人の協力を得ながら行う。
- 日ごろから「趣味」や「生きがい」などを持つことで、ストレスにさらされた際の発散法を確保しておく。

- ストレスや体の不調を感じても対策をしようとせずにそのままため込む。
- ストレスへの対策を一人で無理にしようとする。
- 仕事や学業以外に「趣味」や「生きがい」などの楽しみがない。
—参考元—
厚生労働省,ストレスとは
https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/
厚生労働省,ストレスって何?
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html
厚生労働省,平成24年 労働者健康状況調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html