酒(アルコール)は体に良い?悪い?

お酒は体に良い?悪い? 体に良いこと、悪い事

「酒は百薬の長」という言葉があるように、お酒は適量ならば薬よりも体に良いと信じられてきました。これは本当なのでしょうか?お酒(アルコール飲料)の体への影響・効果を検証します。
(未成年者の飲酒は法律で禁止されています。)

スポンサーリンク

日本での酒類の消費量

酒類の消費量の推移

上記の図1のように現在の日本では様々な種類の酒が消費されています。
年ごとに消費される酒の種類は変わるものの、全体的な消費量で見ると1994年までは上昇傾向だったものの、2001年から緩やかな下降傾向に変化したことが分かります。
そのうえで、毎年ある程度量の酒が消費されていることが分かります。

アルコールの作用

アルコールを適度に摂った場合、心筋梗塞や狭心症などの予防効果、動脈硬化の予防に働くHDL(善玉)コレステロールを増やす効果などの体に良い効能があります。これらの良い効能はアルコール飲料の種類に関わらず認められています。

ただしWHO(世界保健機関)の報告では飲酒は60以上もの病気の原因である、ともしています。

ではアルコール飲料の良い作用、悪い作用、適度な量とはどの程度なのでしょうか?

アルコールの体への良い作用

厚生労働省は健康な日本人においての「節度ある適度な飲酒」として、1日の摂取量は純アルコールで20グラム程度との指針を出しています。純アルコール20グラムというのを酒の種類別での量の目安を示すと下記のようになります。

ビール(アルコール度数5%):500ml(中瓶1本)
清酒(アルコール度数15%):160ml(0.9合)
ウイスキー・ブランデー(アルコール度数43%):60ml(ダブル1杯)
焼酎(アルコール度数35%):72ml(0.4合)
ワイン(アルコール度数12%):200ml(1.67杯)

ただし、統計データから女性の場合は上記の20グラムよりも少ない量(上記の半分程度、純アルコールで10グラム)が良いとされています。

酒01

1日での純アルコール摂取が男性は20グラム、女性は10グラムまでの少量の飲酒は、それ以上の量を摂取する人やお酒を飲まない人と比べて循環器疾患などの死亡率が低くなることが分かっています。
これはアルコールの体への良い面と言えます。

アルコールの体への悪い作用

WHOの指摘ではアルコールはその摂取量に関わらず、60以上もの病気の原因になるとされています。少量の飲酒だとしても上記で挙げた循環器疾患以外においては、すべてにおいて悪影響があります。
代表的な例として、飲酒は高血圧、脳出血、がん、肝硬変などといった疾患の原因になり、これらのリスクは飲酒量の上昇に比例して上昇する傾向があります。

1日の平均アルコール消費量と死亡率の相対リスク

上記の図2は1日の純アルコール相当でのアルコール消費量と死亡率の相対リスクを表したものです。少量の飲酒は循環器疾患への良い効能があることから、非飲酒者と比較して死亡率が減少していますが、女性では20グラム、男性では30グラムを超えると、そのリスクが飲酒量に応じて上昇する傾向があることが分かります。

短時間での多量の飲酒は意識の喪失や混乱、急性アルコール中毒などといった危険があり、習慣的な多量の飲酒はアルコール依存症や数々の疾患・病気の原因となります。

「アルコールの体への良い作用」で示した厚生労働省の指針量はあくまで飲酒をする場合はこの程度と言うための指針であり、飲酒が体に良いと推奨するものではありません

また、アルコール飲料の体への良い効能を目当てに飲酒をすることもあまり良いとは言えません。
例えばワインには体に良いとされる成分、ポリフェノールなどが含まれており、体に良い面もあるとはいえますが、アルコール飲料であるワイン以外にもこれらの成分を摂取する方法はあります。ワイン以外にもコーヒー、チョコレート、緑茶、ココア、バナナ、ぶどうなどにも多くのポリフェノールが含まれていますし、サプリメントもあります。そのため、この成分を摂取する方法としてワイン(アルコール飲料)に固執する理由はないと考えます。

ワインに限らずアルコール飲料の良い面、良い成分を得ることを目的に飲酒をすることはお勧めはできません。飲むにしても量を抑える、飲む間隔を空けるなど、体への負担を下げる習慣が必要となります。

ストレス発散などの理由のために飲酒がやめられない方もいらっしゃると思います。
そういった方も含め、お酒とのうまい付き合いをやっていければ、人生100年時代を健康に生活して送っていけると考えます。

アルコールに関するまとめ

良いこと
  • 少量の飲酒には循環器疾患の死亡率を下げる効果がある。
  • アルコール飲料には種類によって独自の成分があり、その中には体に良い働きをするものもある(ワインのポリフェノールなど)。
悪いこと
  • 飲酒は循環器疾患以外においては悪い作用が多くある。これらのリスクは飲酒量に比例して上昇する。
  • 飲み会などの飲酒機会すべてにおいて、純アルコール量20以下の少量にとどめることは現実的には難しい。飲み過ぎを繰り返さない、飲酒機会ごとに日数を空けるなどの対応が大事。

—参考元—

厚生労働省,アルコール
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html

厚生労働省,平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」
https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/120329.html

厚生労働省,飲酒
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol

国税庁,酒のしおり(令和2年3月)
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2020/index.htm