カビとは何なのか?

カビとは何なのか? 体に良いこと、悪い事

梅雨など湿気が多い時期になるとカビの繁殖が盛んになります。カビは家庭内のいたるところで繁殖し、食品や壁などを腐敗させたりもします。それだけでなく、カビは人体に対しても有害で、カビが原因で起こる病気もあります。こういった身近で厄介な存在であるカビを分かりやすく解説します。

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カビとは?

カビはキノコや酵母と同じ「真菌」という微生物の一種です。自然界に多数存在しており、土の中や空気中などに常に多数存在しています。その種類は様々(確認されているだけで8万種類以上)で食品や医薬品の製造などに有効的に利用される良いものや、病気やアレルギーの原因になったり、食品を腐敗させるなどの悪いものなど様々です。

そして非常に小さいため、普段、空気中などに漂っていてもそれを目で見ることは出来ません。

カビの胞子のサイズ比較

カビのサイズはかなり小さく、その胞子のサイズで約5μmです。このサイズの物が目に見える状態になっている場合、その時点で相当量が繁殖しているという証拠といえます。

そのため、見た目では小さく感じるカビでも、それは油断のならない物で、見えていない範囲にも広がっていると考えなければなりません。

カビの繁殖しやすい環境

カビは温度0~40度の範囲の環境下で生育可能な性質があります。特に温度25~28度湿度60%以上の環境を好み、この状態で最も活発に繁殖をします。そのため、この環境下になりやすい梅雨から夏にかけての時期にカビの繁殖が活発になる傾向があります。

カビは、菌糸胞子の2部位にて成り立っています。その菌糸部分は熱に弱く50度の熱で死滅しますが、胞子は60~80度(カビの種類による)の熱にも耐えるものがあります。そのために壁などで繁殖してしまったカビを熱湯(熱)を用いて死滅させることは困難であると言えます。

カビの繁殖サイクル

カビの繁殖サイクル

カビの繁殖・成長は植物に似ています。カビ胞子は空気中を漂い、胞子が床や壁に着床したところからカビの繁殖が始まります。着床した胞子は植物の根のように菌糸を伸ばして細胞分裂を開始、伸ばした菌糸からさらに発芽し、成長していきます。発芽した菌糸が成長しきるとそこに大量の胞子が出来、それが放出されてさらにカビの繁殖範囲が広がっていくという繁殖サイクルが繰り返されていきます。
カビが目に見える状態になるのは、ある程度、繁殖したあとのため、見える時点で胞子の放出をして、さらに繁殖範囲を広げている最中であると考える必要があります。

カビの毒性

一般的に意図せずに家庭内の壁や床、食品などでいつの間にか増えているカビの多くは有害性があるものです。そのため、これらのカビ対策が重要となります。

カビ毒(マイコトキシン)とは

カビが産生する物質で、人など生物の健康被害を及ぼすもののことをカビ毒(マイコトキシン)と言います。このカビ毒(毒素)を産生するカビ類は多く、発ガン性のあるものや肝臓や腎臓に健康被害を与える毒素など、その毒素も多種多様で、どれも危険性が高いものです。また、カビ自体は加熱によりある程度の除去が可能ですが、カビ毒は熱に強く、食品がこのカビ毒に汚染されていると、調理での加熱やその過程では完全にとり除くことができない恐れがあり危険です。

カビが生えた食品を食べた場合、すぐに症状の出る食中毒になることがあります。この場合ももちろん健康上問題・リスクがありますが、すぐに症状が出てその対象物を排出する反応を体が起こすため、結果として、ある程度毒性の吸収を避けることが出来ます。

しかしカビ毒の場合、体内に吸収されたとしても、すぐには症状が出ない毒素が体内に蓄積する、といった特性があります。体が自然にその毒を排出しないため、その毒が体内に蓄積していくことで後々に重篤な症状として現れます。
そのため、カビに汚染された食品を加熱したり、洗浄して、目で見えるカビがないほどに綺麗にできたとしても、そこにカビ毒が残っていて、それを摂取してしまう危険性があります。こういったことがあるため、カビが少しでも見られる食品があった場合、カビを避ければ良いと短絡的に考えずに、その食品やその周辺にある食品全体が危険であるという意識を持つことが重要です。

カビ対策

除湿器などで湿気を下げる方法は1つのカビ対策法としては有効性がありますが、まずは第一に換気が重要です。毎日空気を入れ替え、カビの胞子が着床したままにならないようにすることでカビの繁殖範囲が広がることを防ぐことが出来ます。また、日光を当てることは乾燥の効果紫外線による殺菌効果の2つの良い効果を得られるため、有効性が高い方法の1つといえます。

こまめな掃除も重要ですが、その際はいくつかの注意が必要です。
掃除機での掃除の場合、カビの胞子を吸引することは出来ますが、それを掃除機の排気口から飛散する危険性があるので注意が必要です。掃除機をかける時は排気口を外に向けるように注意してください。

拭き掃除はカビの除去方法としては特に注意が必要です。まず、拭いたときに細かな傷や隙間にカビの胞子を押し込んでしまい、結果として、カビが生える原因を新たに作ってしまうことがあります。
水拭きの場合、カビの表面を除去することが出来たとしても、カビの菌糸(根)が残ってしまい、そこに水分を与えてしまい、カビの繁殖を助ける形になります。
から拭きの場合だと、そもそもあまり吸着効果がなく、吹いた部分全体にカビを拡散させてしまう恐れがあります。

カビの除去には塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)やエタノールが有効性が高くオススメです。

カビに対する塩素系漂白剤とエタノールの効果の違い

塩素系漂白剤の場合、表面に見えているカビだけではなく、細かな隙間の奥深くのカビに対しても除菌効果が高い特性があります。また、漂白効果もあるため、カビによって黒などの色にくすんでしまった素材の色を白くする効果もあります。
このように塩素系漂白剤はカビに対する強い効能がありますが、使用時には注意が必要です。他の洗剤と混ざると最悪、有毒ガスが発生する危険性があるので、使用時には塩素系漂白剤単体で使用してください。また、吸い込んだり、肌に付かないようにするため、使用するときはマスク、ゴーグル、ゴム手袋を着用して使用し、換気もあわせて行ってください。使用箇所はあとでよく洗い流すことも重要です。これらの使用上の注意点が多くある点が塩素系漂白剤の欠点ですが、カビに対する除菌効果が高いのは事実ですでの、カビ対策として利用を検討する価値はあります。

エタノールを使用する場合は出来るだけ濃度80%に近い、濃度の濃いものがカビ対策・除菌に効果が高く、お勧めです。エタノールを使う際は塩素系漂白剤とは違いゴーグルやゴム手袋などの大がかりな対策が必要ではないため、利用時のハードルが低い点が利点と言えます、ただし、その効果に関しては塩素系漂白剤に劣る部分があります。
まず、エタノールは揮発性が高いため、根深いカビには効果が薄い可能性があります。エタノールが細かな隙間の奥深くに浸透する前に蒸発してしまい、効果が奥深くにまで及ばないことがあります。また、塩素系漂白剤のように漂白効果はないため、黒ずんだシミなどカビによる着色を落とす効果はありません。カビ自体は除菌・除去できたとしても、その色染みはそのまま残るため、見た目上、カビの除菌が出来ていないように見えてしまうかもしれません。

このように塩素系漂白剤とエタノールはともに高いカビの除菌効果がありますが、その使い勝手や使用後の効果などには違いがあります。換気がしにくい場所やゴム手袋などの装着が出来ないなどの場合はエタノール、それら対策が出来る場合は塩素系漂白剤を用いるといった具合に、その利用環境や状況にあわせて使用するものを決めることがお勧めです。

カビの有効性、良い点

カビの種類によっては人にとって有効に活用されているものもあります。
味噌や日本酒、しょうゆ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品はカビの力によって生み出されるものです。この際に利用されるカビはカビ毒などの有毒性は無く無害なだけでなく、人体にとって良い効能があるものもあります。また、青カビは抗生物質「ペニシリン」をつくる細菌として有名ですが、これ以外にも医薬品の開発にカビが役立っています。

自然界にとってもカビは有効に作用しています。カビは有機物(毛や排泄物、落ち葉、朽ち木など)を、無機物に分解できるため、自然界における生態系のサイクルにとても重要な役割を持っています。

カビに関するまとめ

今回のまとめ

人にとっても自然環境にとってもカビは無くてはならない物である一方、人体にとって有害なカビが多く存在することも事実です。そして居住環境にとって身近な存在であるのは残念ながら有害なカビであることも事実です。
カビは一度、深く根付いてしまうと、そこから完全に駆除をするのは困難ですが、不可能なことではありません。塩素系漂白剤エタノールを上手く使い、根気よく除菌、掃除を繰り返すことでカビの駆除は可能です。
しかし、日ごろの掃除、換気などカビ対策・予防を徹底することの方が繁殖後に駆除をする手間に比べて容易であることも知っておくべき事実です。

カビが目に見えるまでの繁殖状態になる前に、予防を徹底し、カビが最初に根付くことを防ぐことが最も簡単で重要なカビ対策です。掃除、換気を毎日の習慣として生活に取り入れられるようにすることで快適で健康的な生活を過ごしていけると思います。

—参考元—
文部科学省,カビ対策マニュアル
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/08111918/001.htm

農林水産省,かびとかび毒についての基礎的な情報
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/kiso.html