体に良い食品(食べ物)とは?

体に良い食品 体に良いこと、悪い事

前回、「体に悪い食品(食べ物)とは?」というテーマの解説をいたしました。
では逆に、体に良い食品(食べ物)とは何なのでしょうか?

今回はこの観点から解説していきます。

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何を基準に体に良いと言えるのか?

以下の効力・作用がある食品・食材が「体に良い」と言える基準と考えます。

  • 病気のリスクを下げる
  • 体の働きを向上させる

こういった効力のある物を科学的根拠と共に解説していきます。

緑黄色野菜

緑黄色野菜とは可食部100g当たりのカロテンが600μg(マイクログラム)以上含む野菜のことを言います。
代表的なものとして、かぼちゃやブロッコリー、ピーマン、トマト、にんじん、ほうれん草などが挙げられます。
(カロテンは昔、カロチンと呼ばれていた時期がありました。カロテンもカロチンも同じものです。)

カロテンとは?

カロテン(αカロテン、βカロテンなど)には抗酸化作用(体内の活性酸素を減らす効果)があります。

「活性酸素について」
人は呼吸で酸素を取り込みますが、その際、その一部が活性酸素となります。活性酸素とは体内の免疫機能において必要不可欠な物質です。
ただし、それが体内に多すぎる場合、身体の細胞にダメージを与えます作用があります。これが老化や動脈硬化、がんなどの原因の一因になると考えられています。

カロテンには優れた抗酸化作用があるだけではなく、体内で必要とされる時に必要な分だけビタミンAに変換される機能もあります。

ビタミンAの作用には主に下記のようなものがあります。

  • 皮膚や粘膜の健康維持
  • 目の機能の健康維持
  • 体の免疫力を高める効果

このような様々な良い効果をカロテン摂取によって得ることが可能ですので、緑黄色野菜の摂取が重要であると考えます。

野菜摂取量の推移

日本人の野菜摂取量の推移

上記は日本人の野菜摂取量の年次ごとの推移を表した図です。

厚労省では成人の1日あたりの野菜摂取の目標量を1日350gと定めていますが、この図から、実際の摂取量はその値に届いていないこと、摂取量はこの10年間、向上することなく推移をしていることが分かります。
また、通年で男性よりも女性の方が摂取量が常に少ないことも分かります。

このように私たちは野菜が体に良いと分かっていても、それを摂れていない、常に野菜の摂取が足りない状況にあるということが分かります。
日常で積極的に野菜、特に緑黄色野菜を食事に取り入れていく努力が必要だということを心がけましょう。

水を必要としない生物はいないくらいに、水は生命に必要不可欠なものです。日々の生活で飲まずにいることはまずないとは思いますが、ある程度の量を意識的に飲んでいるでしょうか?
人の体重のおよそ60%は水分が占め、それが細胞内や血液中にあります。その水分によって体中に必要な栄養や酸素が運ばれたり、体内の老廃物の排出が出来ます。
体温が上がった際、汗をかき、その結果、体温が下がったりと、体温調整が出来るのも水分のおかげです。

このように、体内の様々な機能の基礎として水は利用されています。

日本人の水の摂取量

上記の図は 日本人成人(30~76歳)の男女別での水の平均摂取量を示したものです。飲食からの水の摂取は日本人の場合、食物由来と飲物由来が大体半々であると言われていますので、毎日1リットル以上の飲み水(水分)を飲むことで、上記の平均値に届くということが分かります。

なお、厚労省の「健康のため水を飲もう」推進運動(令和元年12月1日現在)では1.2リットルの飲み水の摂取を推奨しています。

体内の水分が不足すると、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。
人が喉が渇いたと思うのは脱水が始まっている証拠です。喉が乾いたと思ってからでは遅いこともありますので、夏などの暑い日だけの問題としてではなく、こまめな水分補給を心がけておきましょう。

オリーブオイル(オリーブ油)

オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸を多く含んでいます。
このオレイン酸は血液中のLDL(悪玉)コレステロールを下げる効果があり、これにより、動脈硬化や心疾患を予防する効果が期待されます。

また、オリーブオイルには「緑黄色野菜」の項目でも取り上げた抗酸化作用(体内の活性酸素を減らす効果)もあります。

これらのように良い効能が多いオリーブオイルですが、摂取の際には1つ注意が必要です。オリーブオイルは他の油類(サラダ油やゴマ油)と同量の場合、同等の高カロリーな食品です。

体に良い効能が多いからといってコップに多量にとって飲むのはあまりお勧めできませんので、摂取をする際は、その点をご注意下さい。
炒め物や揚げ物に使ったり、パスタやサラダなどの食品に和えるなど、適度な量を摂取するのが良いと思います。

体に良い食品に関するまとめ

今回のまとめ

体に良いものを求める欲求は誰にでもありますが、根拠のないものにすがるのはあまり良くはありません。
しっかり根拠のあるものを毎日の食事の中に取り入れていくことが大事です。

また、いくら体に良いものだといっても、あまり好きではない物、美味しいと思えないものを無理やり口に押し込めて食べるのもお勧めできません。
そのような食事ではせっかく良いものを摂取しても、そのストレスからむしろ体を壊してしまうかもしれません。
得るものよりも失うものの方が大きくては意味がありませんので、食べられるもの、好きなものの中から体に良いと分かっている物を毎日の食事に取り入れていければ、健康に生活を送っていけると思います。

—参考元—

厚生労働省,栄養・食生活
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html

厚生労働省,「五訂日本食品標準成分表」の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/topics/0106/tp0628-2.html

厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

厚生労働省,「健康のため水を飲もう」推進運動
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

厚生労働省,不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html