「目(眼)」に良いこと、悪いこと!?

「目」に良いこと、悪いこと!? 体に良いこと、悪い事

ブルーベリーは目に「良い」、ブルーライトは目に「悪い」など、世の中にはさまざまな「目(眼)」に良い、悪いとされているものが存在しています。
これらは実際にはどうなのか?具体的な効果やその影響などを分かりやすく解説します。

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ブルーライトは目に悪い?

ブルーライトは目に悪い、だからブルーライトはカットしたほうが良い、と思っている人は多いと思います。そういった効果をうたった商品もたくさんあります。では、そもそもブルーライトとは何なのでしょうか?そして本当に目に悪いのでしょうか?

そもそもブルーライトとは?

ブルーライトとは、名前の通り青色の光のことを指します。これは決して特殊な光ではなく、日中の太陽の光や照明器具、スマホ画面の光などにも含まれているありふれた光の一部です。

そんなブルーライトが問題視されるようになったきっかけは2000年台にLED照明が普及し始めたことでした。それまでに照明として主に利用されていた、白色電球や蛍光灯などの代わりとして省エネで寿命が長いLED照明が普及していき、広く使われるようになりました。
(LEDはテレビや液晶モニター、スマホの液晶画面のバックライトとしても広く使われています。)
その際、そのLEDの光の色合いが本来、白であるはずのものが何となく青っぽいことから、これは今までの照明よりも青の光が強く、それが目への負担が大きいのでは?、といわれるようになりました。

「光の波長について」

可視光とブルーライトの光の波長の範囲

光は波の性質を持っています。そして可視光(目に見える光)には波長(波の長さ)があり、その範囲は380nm~780nmです。なお、380nm以下のものは紫外線、780nm以上は赤外線と呼び、それぞれ目で見ることが出来ない光です。
可視光の中でも青の光は波長が短い部分を占め(380nm~500nm)、その波長は紫外線に隣接したです。科学的にいうと、波長が短い光ほど、そのエネルギーが大きいといえます。そのため、大きいエネルギー(青の光)を目で受けることが目への悪影響があるとされる根拠のひとつとされています。

LEDが青っぽく感じられたことに関しては理由があります。白の光を表現したい際には光の3原色であるの3色が必要となります。このことから、白色に光るLEDを作る際、青色のLEDをベースに緑色赤色の蛍光か黄色の蛍光体を組み合わせて擬似的に白色を表現する手法が主流となっています。これは寿命や生産コストの問題なども含めてこうなっているのですが、この方式では1つ問題があります。それはベースとなる青の光が他の色よりも強めになるということです。特にLEDの普及初期に生産せれた質の悪いものはこの傾向が顕著でした。「白」とうたわれた光が青っぽく感じることがあったのはこれが原因です。そのため、ブルーライトという問題が着目されることになりました。

下記の図1から4は同一の明るさにおける、白色LED照明、蛍光灯、白熱電球、日光、それぞれでの光のスペクトル(光の成分図)の一例を表したものです。

白色LED、蛍光灯、白色電球、日光のスペクトル(光の成分図)

この図から、白色LED照明は青色が、蛍光灯は緑色、白熱電球は赤色がそれぞれの光の成分として多く(強く)含まれていることが分かります。
そして自然の光である日光は、やや赤色と濃い青色が少ないものの、全体的なバランスの取れた光であることも分かります。

これらの事から、そもそも人は昔から青色の光を浴びて(見て)生活していたことが分かります。そのため、光の青色の成分がLEDの利用によって多くなったからと言って、今まで目で浴びたことのなかった特殊な光を受けるようになるようなことはありません。

ブルーライトを見続けると視力の低下や目の網膜や細胞などにダメージを与えたり、目の病気を誘発するなど、目に何かしらの悪影響を与えるという科学的実証は現時点では何もなされてはいません。このことから「目」に対してブルーライトが特段悪いということはないのですが、1つだけ問題点はあります。それは「睡眠」に関することです。

厚生労働省が発表している労働衛生管理のためのガイドラインにおいてブルーライトが睡眠障害を引き起こす可能性があるとの研究結果の指摘があります。
その概要は以下の通りです。

人は脳内で分泌される「メラトニン」というホルモンによって眠気を感じ、自然な眠りを行う体内の仕組みがあります。
脳は目からの光によって体内時計を管理しています。そのため、光が目から多く入る日中はメラトニンの分泌が抑制され、夜になって光を感じなくなるとメラトニンが多く分泌されるようになっています。
ブルーライト(青色の光)を目で浴びていると、このメラトニンの分泌を抑える働きがあることが分かっています。なお、これは青色の光のみの特性であり、赤や緑、黄色など他の色の光では起こらない作用です。

そのため、夜の時間帯にブルーライトを見続けていると、脳は明るい昼間と勘違いをし、メラトニンの分泌を積極的に行わず、覚醒状態のままでいようとしてしまいます。そのため、就寝前は出来るだけブルーライトの強いものの光の明るさを下げる(控える)ことが推奨されています。

ブルーライトに関するまとめ

日光などの自然の光、照明器具などの人工的な光、双方共にブルーライトは含まれています。同じ明るさにおける分量・割合こそ違えど、それらを完全に断ち切ることは現代の生活を送る上ではほぼ不可能と言えます。ブルーライトは「目」に対する直接的な害はないものの、「睡眠」に対する影響は無視できないものがあります。そのため、睡眠の質のことを考え、就寝前はスマホや照明、モニターの画面などの明るさは出来るだけ暗くするといった、ちょっとした対策を取ることが重要です。
また、メラトニンに対する作用を逆に利用すれば、朝の起床時にブルーライトを浴びて、効果的にスッキリと目覚めさせることも可能です。このようにブルーライトの作用を悪いものだとばかりに考えず、良いほうに利用していけるように正しく付き合っていくことも重要だと思います。

ブルーベリーは目に良い?

ブルーベリー

ブルーベリーが「目に良い」と何となく知っている人は多いと思います。それはなぜなのでしょうか?日本では2000年代にテレビなどでその効能を多く取り上げられたことがきっかけだったようですが、古くは第二次世界大戦中、イギリス空軍の夜間戦闘のエースがブルーベリージャムが大好物だったということが由来の説の1つとされています。

ブルーベリーには「アントシアニン」という物質が豊富に含まれています。これはブルーベリーの色(青紫色)の元ともなっている天然の色素です。このアントシアニンはブルーベリーの他にも紫いもやぶどう、ブルーベリー、赤ワインなどにも含まれています。
アントシアニンは網膜にあるロドプシンという物質の再合成を促進する効果があることが実証されています。

「ロドプシンとは」

ロドプシンとは人の目の網膜にある物質で、目で光を受けた際に分解され、同時に「見た情報」を脳へ伝えます。この現象によって脳(人)は物を見ることが出来ます。
なお、分解したロドプシンはその後、すぐに元に戻る性質があります(再合成)。これらロドプシンの「分解」と「再合成」の繰り返しによって人は物を見続けることが出来ます。

ロドプシンは基本的には「分解」と「再合成」の繰り返しで普段はバランスが取れていますが、目の疲れやストレスなどによって、そのバランスが崩れ、ロドプシンの再合成が遅れてしまうことがあります。再合成が遅れることになると普段よりも物が見えにくい状態になります。しかし、アントシアニンの摂取によって、このロドプシンの再合成を促進し、物が見えにくくなる状態になることを防止することが可能です。
このアントシアニンの効力を根拠にアントシアニンを多く含むブルーベリーが目に良いと言われるようになり、現在においても様々な研究がされています。

ブルーベリーに関するまとめ

では、実際にブルーベリーは「目に良い」のでしょうか?
実際に実証されているのは、あくまで目の健康状態が普段よりも悪くなることを防ぐ効果のみです。それ以外の効果(視力の回復効果など)に関しては何十年も研究が続いている今でも科学的根拠は見つかっていません。そのため、いくら大量に食べたことろで視力が回復するような効果はないと考えます。
また、アントシアニンの効果は摂取後あまり長続きしないため、上記の目の健康状態の維持のための効果を長期に得るためには毎日の摂取が必要にもなります。

残念なことに、このようなことからブルーベリーが視力の回復効果など過度な効能のある意味で「目に良い」と言うことはできないと考えます。
ただし、目の現状の健康状態の維持効果は期待できる点、ビタミン類など抗酸化作用のある物質や食物繊維など、様々な体に良い物質を含んでいるため、栄養摂取の観点から体に良い食品である点は間違いはありません。これらのことから、普段から目の疲れを感じることが多い人には有効性があると考えます。

過剰な期待はせずに、ブルーベリーは体に良い栄養素が多く含まれる食材の1つとして食べていくことが良いと思います。

暗い場所での読書は目に悪い?

暗い場所での読書

暗い場所で読書やスマホ操作など目を酷使する作業をすると目に悪いという説を聞いたことがある人は多いと思います。これは本当なのでしょうか?
実は暗い場所で読書(目を酷使すること)などをすると視力が低下するといった科学的根拠は一切ありません。ただし、注意点があります。

それは「距離」です。暗い場所では普段の明るい状態よりも物が見えにくいので、必然的に普段よりも物をより近づけて見ようとしてしまいます。そのため近くで物を見続ける状態となり、結果として明るい場所での時よりも目が疲れてしまいます。この目の疲れを「視力の低下」と感じてしまうことがあるかもしれませんが、これはあくまで一時的な疲れですので、その後、休息をとれば問題はありません。ただし、これを日常的に繰り返してしまうと慢性的に目が疲れた状態になります。一時的な目の疲れは視力の低下には繋がりませんが、長期的に目が疲れた状態が続くことは、結果として視力の低下を招くことになるかもしれません

暗い場所が目に悪いといったことはありませんが、目が疲れやすい作業環境になる可能性はあります。何かの長期作業をする際は適度な明るさを確保することを心がけることが目に良い環境づくりに繋がると思います。

「目(眼)」にに関するまとめ

今回のまとめ

ブルーベリーや暗い場所、ブルーライトなど、目に良い、目に悪いとされることに関して、実はそれほど大きな利点や有害性はないというのが現実です。

  • ブルーライトには視力が低下するなどの「目」に対する直接的な悪影響はないが、寝る前に浴びすぎると睡眠リズム(体内時計)を狂わせる作用がある。
  • ブルーベリーは体に良い栄養素が豊富な良い食べ物であり、目の健康状態が普段よりも悪くなることを防ぐ効果があるが、視力の改善など目を良くするというほどの効果はない。
  • 暗い場所での読書で視力が低下するといった科学的根拠は一切ないが、その際、見るものとの「距離」が無意識に近くなり過ぎないように注意をする。

これらの実際のところをきちんと知っておくことで、何がどう有害で何が利益があるのかを正しく理解でき、それらを利用して、快適で健康的な生活を過ごしていけると考えます。

—参考元—

厚生労働省,情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000539604.pdf

TOSHIBA,LEDの基礎知識
https://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/proposal/led_basics/led_basics.htm

厚生労働省,睡眠対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html