カフェインとは?その効能や危険性とは?

カフェインの効能と危険性とは? 体に良いこと、悪い事

カフェインはコーヒーやお茶、エナジードリンクなどに多く含まれています。このカフェインの体への影響・効能や危険性などを詳しく解説します。

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カフェインの効能とは?

カフェインの効能を説明する前に「アデノシン」という脳内物質について解説します。人が活動していると、脳内ではアデノシンという物質が生成されます。これには神経を落ち着かせる働きがあり、この効果により人は眠気や疲労を感じます。

カフェインとは、アデノシンと構造が似ており、カフェインを摂取すると、本来アデノシンが結合するべき場所にカフェインが先に取りつき、アデノシンの働きを阻害します。
この働きにより、脳を興奮させ眠気を覚ます効果、疲労を感じにくくさせる効果、尿の排出を促す利尿作用などの効果を得ることが出来ます。また、集中力を向上させる効果や運動機能の向上効果も期待されます。

コーヒー摂取の効能

コーヒーの摂取と死亡リスクの関係性

上記は40~69歳の日本人90914人の調査結果を示したものです。日ごろ、コーヒーを飲んでいる人はその量にある程度比例して死亡リスクが低下し、特にコーヒーを3、4杯摂取している人は飲まない人と比較すると死亡リスクが0.76とかなり低くなる結果が出ています。
ただし、5杯以上を飲むと数値が上がることから、コーヒーには体に良い効果があることが分かるものの、飲み過ぎると悪い事があることも分かります。

飲料水のカフェイン濃度

飲料水のカフェイン濃度

上記の図2はカフェインを多く含む清涼飲料水の100ミリリットルあたりのカフェイン含有量を示したものです。コーヒーやエナジードリンクのカフェイン含有量が多いのはもちろん、各種のお茶にも多くのカフェインが含まれていることがわかります。

カフェインを摂りすぎると体に悪い?

カフェインを含む飲料は、適度な摂取ならば死亡リスクが減少する効果など体に良い影響もありますが、そのカフェインを過剰に摂取した場合、中枢神経系が過剰に刺激され、めまい、心拍数の増加、興奮、震え、不眠などが起こります。また、消化器管の刺激により下痢や吐き気などを引き起こすこともあります。

WHO(世界保健機関)では安全のために、妊婦に対し、1日のコーヒーの量を4杯までにすることを呼びかけています。
欧州やカナダでは、一般的な成人での1日の最大摂取量の推奨量をコーヒーカップで3杯分(カフェイン400mg)までとしています。

日本では現時点では摂取量に関する規定はありませんが、過剰に摂取することに対する注意勧告はされています。

これらの推奨量はあくまで平均的に言った場合のもののため、人によってはこれ以下の摂取量だとしても健康被害が発生する危険性はありますので、短時間でのカフェインを含む飲料の大量摂取には注意をしましょう。

カフェインに関するまとめ

良いこと
  • カフェインの摂取には眠気を覚ます効果、疲労を感じにくくさせる効果、集中力の向上などの効果が期待できる。
  • コーヒーでの場合、1日でカップ4杯までの摂取ならば体への良い効果、死亡リスクの低下などが期待できる。ただし、摂取の間隔は空ける必要がある。
悪いこと
  • カフェインを摂りすぎた場合、めまい、心拍数の増加、震え、興奮、不眠、下痢や吐き気などの様々な体への悪影響がある。
  • 短期間での多量摂取の場合、より深刻な健康被害、中毒症状が出る危険性がある。人により悪影響が出る量の基準が変わるので、大量でなくともカフェインを摂取後に体調が悪くなった場合は摂取を控えるべき。
  • カフェインの悪影響が出る摂取量の境目が人によって違うため、すべての人にとって「カフェインが体に良い」と一概には言えない。

—参考元—

厚生労働省,食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

農林水産省,カフェインの過剰摂取について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html

日本コカ・コーラ,よくあるご質問
https://j.cocacola.co.jp/info/faq/detail.htm?faq=19113

JPHC研究,Association of Coffee Intake With Total and Cause-Specific Mortality in a Japanese Population
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25762807/