ここではウイルスの特性、性質などを詳しく解説していきます。
ウイルスとは?
すべての生物は細胞によって体を構成しています。この細胞が生物を構成する基本的な単位です。細胞は分裂を繰り返し、複製を作ることでその存在を維持する仕組みがあります。
それに対し、ウイルスとはこの細胞が無く、(構造上、遺伝子しか持っていない)増殖をするためには何かの細胞に寄生し、その機能を無理やり乗っ取って増殖するという方法をとります。ウイルスは自身で分裂・増殖できない点から、科学的には「生物」ではないといえます。
そして、ウイルスが細胞を自身で持っていない特性がウイルス全般に効果がある特効薬・治療薬が出来ない大きな理由となっています。
ウイルスのサイズ

ウイルスの大きさは0.01~0.1.μmとかなり微細です。
比較として、人の細胞の大きさは10~30μm、花粉の大きさは30~40μm、人の髪の太さは50~100μmです。
「1μm(マイクロメーター)とは1mm(ミリメーター)の1000分の1」

一般的に販売されている不織布マスクは織った繊維に隙間があり、その大きさは5μmと言われています。
そのため、花粉などの大きな物質は防ぎますが、ウイルスなどの小さな物質は隙間を通りぬけることが出来るため、空気感染をするウイルスの防止効果はないといわれています。
ただし、湿気を含んだウイルス(咳などで噴出したもの)のサイズは一般的に5μm以上とされているので、飛沫感染をするウイルスなどの感染症はマスクで防ぐことはできます。また、喉や口の中の潤いを保つ効果もあるので、鼻と口の両方を確実に覆う正しい装着方法をとればマスクには一定のウイルス防止効果を期待することはできます。
マスクに関するより詳しい解説は当サイト内の下記にて行っています。
ウイルスの特性、増殖方法
ウイルスは、他の細胞に入り込んで寄生し、生きていこうとします。

人や動物の体内にウイルスが入り込んだ場合、その細胞の中に侵入し増殖、一定量まで増殖した後、入り込んでいた細胞を破壊しつつ外に飛び出します。
これを繰り返すことでウイルスは自身を増殖し続けることで生き続けようとし、その際に細胞を破壊していくので人の体に悪影響を与えます。
今、世の中にはインフルエンザウイルス、コロナウイルスなど様々なウイルスが存在しています。
これらは繁殖能力の強さの違いや寄生できる対象の細胞に違いがあるので感染後の症状に違いが出ます。
例えば弱毒型のインフルエンザは呼吸器や腸管にのみ寄生する機能がありますが、強毒型のインフルエンザは全身に感染する機能があります。
インフルエンザという1つのくくり内のウイルスでもこれらの違いがあります。ウイルスの種類が違えばこれらの違いもさらに大きくなります。
これらの違いがあるためウイルス1つ1つに対する対策が難しいとされています。
ウイルスへの対策

ウイルスに対するワクチンはインフルエンザなど一部に対するもののみしかありません。そのためウイルス全般に効く対策は手洗い、適度な休養、十分な睡眠などしかありません。

自身の免疫力を高め、ウイルスを体内に取り込まないこと、これが予防の第一歩であり、最重要な点です。常に予防の意識を持つこと、心配しすぎは良くありませんが、ちょっとした油断をしないことを常に心がけましょう。
ウイルス対策のまとめ

- 手洗いをこまめに行い、手で目、鼻、口を触った際にウイルスが侵入しないようにする。
- 日ごろから、適度な休養、十分な睡眠をとり、自身の免疫力を高めておく。

- 手洗いをしていない手で(特に外出時に)目、鼻、口を手で触る行為を行うこと。
- 徹夜、食事のバランスが悪い、睡眠不足、過度のストレス、激しい運動など免疫力を下げる行為を繰り返すこと。
—参考元—
AMR臨床リファレンスセンター,細菌とウイルス
http://amr.ncgm.go.jp/general/1-1-2.html